美保神社から出雲大社までを駆け抜ける景観美満載のコース、エイドでの暖かいおもてなし、お土産持参のお願いや参加者の声などもホームページで紹介されていて、全国制覇島根県はえびたい１００キロだなと決めてました。その後、チーム参加の駅伝も開催され抽選となる人気大会に。今回、初めてのエントリーでしたが見事当選し走ることができました。仕事が一気に忙しくなる５月末、３連休を取り職場に迷惑かけてしまいましたが、心に刻まれるとても素敵な大会でした。 

土曜日、名古屋空港からの飛行機が１５時４５分発だったので、午前中は出勤。お昼過ぎまで仕事をして電車とバスで空港へ。空港で持参するお土産を物色。ＴＶで紹介された人気の「名古屋小倉トーストラングドシャ」を購入。５０分の空の旅で出雲縁結び空港に到着。シャトルバスで松江へ。宿泊ホテルは大会に出場するランナーがたくさん宿泊していました。駅のうどん屋さんで、夕食。２１時前には就寝。

２時１０分起床。朝食はおにぎりとサンドイッチ、インスタント味噌汁。乳首に貼るバンドエイドを忘れたことに気づく。雨予報なのでワセリンを腕、脚にぬる。ホテルをチェックアウトしバス乗り場へ向かうが、昨日の下見では駅構内を通って南口にすぐ抜けられたが、この時間だと駅はあいておらず、ぐるっと遠回り。これから１００キロ走るのでなんてことはないのだが、一人前までで１台目のバスに乗れず少し嫌な予感。それでも１０分後には２台目も定員となり出発。車内はクーラーを聞かせているようで、冷風が体に当たる。少しうとうとしてたら寒くなってきた。後から振り返るとこれがいけなかった。ズボンや上着を着ずに乗り込んでいたので体が冷えてしまったようだ。

４時３０分には受付会場に到着。

受付でゼッケンをもらい、持参したお土産の小倉トーストのクッキーをもっていくと、「○○さんからお土産いただきました」と大きな声でお礼を言われました。お土産持参は４人に一人くらいだったかな。ゼッケンを装着しスタートの美保神社へ。商売繁盛のえびす様を祀る美保神社。かーちゃんと同じ名前である。写真をとり参拝。しまねっこも登場し記念撮影。５時３０分１００キロソロの部がスタートした。
　

６キロくらいまでは美保湾の海岸道路を走る。ここまではフラット。朝日が体にあたり、日光アレルギーなのか、全身に発疹がでてきてかゆくてたまらなくなった。

その後日本海側へアップダウンのあるコースを進む。日本海へ出てからは漁村、山を繰り返し走り続ける。

キロ５分１０分ほどで予想以上に速いペースで走ってしまう。バスのクーラーのせいかこのあたりから腹痛。２３キロでトイレに駆け込む。「トイレ↑」の看板はあるものの場所がわからない。エイドのスタッフに聞くと普通の建物に入って階段上って２階にトイレがあると。男女共用で和式だが誰もいなかったのでゆっくり落ち着いて用を足すことができました。

その後お腹は少し良くなりアップダウンの続く海岸線を走り続ける。このころは曇り予報が日差しが痛くなるほどの晴天。暑さも応えたのか、下痢で水分が不足したのか２８キロエイドでは水、冷たいお茶をいっきに３杯。走り出したらおなかタップンタップン。３４キロエイドでは頭から水かけてもらった。

３８キロの大芦エイド到着。３７８の数字が紙に書いてあり、私のゼッケンに気づいたエイドの方が、「○○さんからいただいたお土産はこちらのエイドでいただきました。ありがとうございます。がんばってください」と声かけていただきました。うれしい心づかいですね。つらかった腹痛も少し復活。

フルをサブ４で通過したまではよかったが原発あたりの山道で再び腹痛がひどくなりしんどさもあって上りは歩きに。５０キロのエイドで再びトイレに駆け込むもやはり男女共用で１個だけ。女子も並んでいたのでここはがまん。５５キロの大エイドには５時間３６分で着。アップダウンの前半戦、トイレストップなど考えればまずまずであるが、腹痛でそんな余裕はない。荷物を出してくれたボランテイアに「荷物はいらない」とそっけない対応してしまい心苦しかったが、ごめんね、トイレ急いでたもんで…。ここでは少し並んだが、洋式のシャワートイレに入ることができた。３分ほどこもってしまい迷惑かけてしまいましたが、腹痛は何とかここで解消。すっきりした。

味噌汁をいただき出発。ここからはコース変更により山一つ分のアップダウンがなくなったとのこと。フラットなコースだが、雨もひどくなりスピードが上がらない。

　腹痛はなくなったが、前傾姿勢で腰まげて山上りしてたせいか腰が痛くなりつらくなった。サロマ１００キロの時も５０キロ過ぎると腰が痛くなる。サロマでは大エイドで２分ほど横になり休憩した。あの時より数段つらい。止まってガードレールに手をつき腰を伸ばす。状態は変わらない。走り出したもののつらくなり歩く。最初に歩いたのは５００ｍくらいだと思うが、２０人位抜いていく。自転車の救護スタッフが声をかけてくる。「腰が痛くて…。しばらく歩いて様子見ます」と返答した。とてもありがたいが自分自身が情けなく腹立たしかった。この時、何を考えていたのか思い出せないが、何かをきっかけに走り出すことができた。２キロほど走り再び歩き。ウエストポーチのデジカメが重いのがいけないのかと思い肩に巻くことにする。再び走り出す。

　６０キロエイドでエアーサロンパスを腰に吹き付けてもらった。これが効いたのかその後５キロほど走り続けることができたが、また腰がつらくなり５００ｍほど歩き。この時は同じように歩いているランナーにも抜かれた。雨もひどくなり、もうリタイアしよう。一畑電車の駅でリタイアして電車に乗ればいいんだ。駅はどこ、そんなことばかり考えていた。

　でも再び走り出す。何を考えて、何がきっかけで走り出したのか全然思い出せない。でも走り出した。歩いて抜いていったランナーを抜いた。女性ランナー４人組も抜いた。６７キロエイドで再びエアーサロンパス噴射。そこからは走り続けた。
　

　７４キロ津ノ森エイド。一畑電車の駅の横にあるエイドだ。雨をしのげるテント内のイスに腰かけ、暖かいしじみ汁とおにぎり１個をいただく。５分ほど休んでいたら元気が湧いてきた。ここでリタイアを考えていたが、復活だ。ゴールへ向かうぞ。

何人もランナーを抜きここからはキロ６分３０分くらいで走り続ける。９７キロくらいの島根ワイナリーも抜け出雲大社手前までくると、リレーを終えたランナーからも「ナイスラン」と声援が。ナイスランじゃないけどと思いながらも手を挙げて返すと思いがこみ上げ泣きそうになる。

　そして出雲大社前。とうとうここまで来た。信号が変わり日の出館前を右折。すぐ名前をアナウンスされ、沿道の方から声援、ハイタッチ。もう感動で心が震える。１００キロウルトラのゴール前はハートが震えるのだ。この道のりを越えてきた人だけが体験することができる瞬間。手を挙げてゴール。

記録証を発行するスタッフの方々全員で完走万歳をしていただいたものの、完走メダルや完走後の水やお味噌汁などの提供はなく、少し寂し気。荷物の受け取り場所もわからず、とりあえずはスタッフにお願いし記念写真。荷物はお風呂も使わせていただける日の出館で受け取ることができました。

びしょ濡れだったのでお風呂にはいれてすごくよかったのですが、ゴールが遅かったせいか湯船はぬるく温まることはできませんでした。

●１０ｋｍ　　５０分
●２０ｋｍ　　５２分
●３０ｋｍ　　５９分
●４０ｋｍ　　６４分
●５０ｋｍ　　８９分
●６０ｋｍ　　８７分
●７０ｋｍ　　８７分
●８０ｋｍ　　６７分
●９０ｋｍ　　６９分
●１００ｋｍ　　７０分

　●total　　　１１’３４”４９　　１３６位／完走３５２人中

　電鉄出雲大社前から一畑電車に乗る。しまねっこがデザインされたカワイイ電車でした。乗客はほぼランナー。みなさん雨の中ご苦労様でした。この日の宿はスーパーホテル出雲駅。チェックインしてすぐとなりにある「ランプの湯」でお風呂につかりやっと一息。雨に濡れた体もやっと温まりました。
　お風呂のお食事処で夕食。メバルのお造り、じゃこねぎサラダ、串盛り合わせと生ビールで祝杯しました。話題ののどくろには手が出せず。残念。
　

　３０日は朝からバスで出雲大社へ。雨上がりの平日とあって、静かで空気も澄んでいました。厳かな場所ですね。ランナーの方も何人か見えました。
　再びバスに乗り島根ワイナリーへ。無料の試飲コーナーで何杯もおいしいワインをいただきました。お土産を買って支払いをしたら、レシートにラッキーと印字。お見上げを余分にいただくことができました。大満足で出雲駅へ。そこからが大変でした。
　

　出雲駅に戻り昼食食べて待合室にいると、電車が倒木のため運休とのアナウンス。指定券を取り換えに窓口に向かうと、「この切符おかしいですね」と言われる。特急料金が乗り継ぎ割引されておらず２倍になっていると。このままでも乗れますが、購入場所で返金されたほうがいいと言われたので、改めて購入し、１時間遅れの次の電車に乗り込んだ。しかし、やはり倒木の影響によるダイヤの乱れもあって途中の駅で電車が１時間近く動かない。散々な思いをしてやっと岡山に。
　新幹線の指定を取り直しコンビニで夕食など買うとくじを引かされ再びあたり。なんて日だ！って感じ。

　予定時刻を大幅に遅れ１０時頃にやっと帰宅。帰りも飛行機にすればよかった。